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子育て情報マガジン

巨大ロケットが送る
手のひらへのメッセージ

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お出かけ前に、ニュースやアプリでチェックする天気予報。詳しい天気がわかるとその日の予定を立てやすくなりますよね。そして、出かけた先が行き慣れていない場所であればカーナビや地図アプリを使うことが当たり前に。今はカンタンに天気やマップの情報を手軽に調べることができますが、当然100年前や200年前にはなかった技術。一体どのような仕組みで私たちの元へと情報が届いているのでしょうか。

この技術の進歩には宇宙へ飛び立つロケットが大きく関係しています。実は巨大なロケットが宇宙に運ぶ「あるもの」が、私たちの小さなスマートフォンが受け取る情報に大きな影響を与えています。

ロケットが運ぶ「人工衛星」で天気や位置情報が丸わかり

私たちが日頃使っている、天気や位置情報には「人工衛星」が大きく関わっています。人工衛星の中にもいくつか種類があり、例えば「気象衛星」は天気の分野で、「GPS(グローバル・ポジショニング・システム)衛星」は位置情報の分野でそれぞれ活躍しています。これらの衛星を宇宙へと運んでいるのがロケットなのです。

人工衛星とGPS

人工衛星の力で、自分がどこにいるのかが丸わかりに。

人工衛星はどこにある? 巨大ロケットに隠されたひみつ

これまで日本で、主に人工衛星を送り出してきたのは約280t(280,000kg)の重量があるH-ⅡAロケット。打ち上げのときに、人工衛星はH-ⅡAロケットの先頭にあるフェアリングという部分の中にしまわれています。ロケットが発射されて、ほとんど空気のない高さの大気圏外に突入すると、フェアリング部分が切り離されて、人工衛星の姿が現れます。切り離されたフェアリング以外の部分は地上へと落ちていき、ほとんどが大気圏で燃え尽きます。そうして残ったロケットの先端から、さらに人工衛星が分離して宇宙へと到達します。ちなみにロケットが役目を果たすためにバラバラになるのは、使い終わった燃料の容器を切り離して機体を軽くするためなんだそうですよ。

人工衛星はここに!

「衛星フェアリング」部分で人工衛星を覆って、風圧や空気との摩擦熱から守ります。

宇宙からの情報が手のひらに届く。 ロケットが創り出す便利な日常

ロケットから切り離されて、人工衛星の仕事がようやくスタート。例えば日本の気象衛星「ひまわり」の場合は常に日本のはるか上空にいて、3種類のセンサーで雲の動きや地上の温度などを計測します。そうしてデータを集めて、気象庁へ送信。あるいはGPS衛星の場合は約20,000kmの高さで地球をぐるぐると回り、スマートフォン内のアンテナや車に搭載されたカーナビへ向かって情報を送ります。天気予報を見て雨に濡れなかったり、旅行先で道に迷わなかったりしたときは、遠く宇宙で働く人工衛星に感謝したくなりますね。

人工衛星が同じ所に止まっているように見えるのは地球の回転に合わせて飛ぶからなんです。

ロケットのように、普段は身近にないモノのがんばりで私たちは暮らすことができています。身近にないけれど、生活と「つながり」があるものを探してみませんか。知らなかったものを発見すると、自分の世界が少し広がってワクワクしますよ。

また、キッテオッテのミッションページではロケットの形が細長い理由や、噴射される白い煙の正体など、ロケットに関する情報を載せています。ロケットに興味がわいた方は、ぜひのぞいてみてくださいね。

参照|「宇宙開発を支えるロケットがわかる!ロケットガイドブック」, 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

参照|「GPS衛星での測位の原理」, 国土地理院

この記事を書いた人

坂本 望

エスニック料理と小説が好きなコピーライターです。バーテンダーのバイトをしていたのに全然お酒が飲めません。