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休校中の子どもたち①しみず家の場合

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いつもなら子どもたちとレジャーを楽しんだり帰省したりと楽しくも忙しい時期ですが、今年はたくさんのおうちが、どう過ごそうかと頭を悩ませているのではないでしょうか。私たちキッテオッテスタッフは関西で暮らしているので、3月に休校が決まってからもう1カ月以上経ちます。 そこで今回は、スタッフと子どもたちがこのなが—いお休みをどんな風に過ごしているのか聞いてみました。

“しみず家”の場合

小学校3年生の長女と1年生の長男の二人が学童保育へ通っていたしみず家。仕事はもともと在宅の日と出社する日を組み合わせた時短勤務でしたが、学童保育が閉所になってからは、週5日子どもと一緒に在宅勤務をしています。

―休校中のお子さんの毎日の予定って、どうしていますか?

我が家では、家族みんなが一日の予定を紙に書いて共有する“朝礼”の時間をつくりました。日中は仕事があってあまり子どもの様子を見られないので、朝に予定を決めておけば子ども自身が意識して過ごしてくれるかなと思ったのがきっかけです。それに、子どもたちだけだとずーっとテレビを見たりダラダラしたりしそうだったので。

―具体的にはどのようにスケジュールを決めるんでしょう。

“TODOリスト”を用意して、最初に「お手伝い一つ、勉強1時間、ピアノの練習30分、洗濯物たたみ」 など毎日必ずしようねと約束したことを書いてもらいます。次に、子どもが好きなこと、やりたいことを自由に書きます。息子はまだうまく字が書けないので、相談しながら私が書いています。ちなみにテレビは1時間まで。
私が勝手に決めてしまうより、子どもが自分で決めて書くほうが「ちゃんと守らないと!」と思えるようです。

家のお手伝いをするとポイントが貯まる制度があるそう。ゲーム感覚で楽しめるように、お手伝いを自分で選べたり、たくさんポイントがもらえる「スペシャルミッション」を用意したりしているのだとか。

TODOリストがダウンロードできるSTORY

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―しみずさんの仕事のスケジュールも子どもに共有するんですよね?

そうそう、子どもと同じようにリストを作ります。「午前中にデザイン修正、午後からラフデザイン作成とキッテオッテの試作品作り」とか。オンラインの打ち合わせがあるときは「この時間は静かにしてね」と伝えておくようにしています。

―朝立てた予定通りに進むものですか?

小1男子はなーんにもできてないこともしばしば…。なので12時のお昼休憩のときに、「午前中はどうだった?」と途中経過を確認します。できていないことをどうするか相談したり、ちょっと宿題みようか?と聞いたりして、午後からの予定を調整します。

私は時短勤務なので16時半に終業。“終礼”タイムとして子どもを集めて、勉強したことや読んだ本の感想を聞きます。できたことはたくさん褒めて、できなかったことは今日もう少しやってみるのか、明日に回すのか、自分で考えてもらっています。もちろん子どもだけでなく、私も仕事のことを報告。朝伝えた予定が終わっていないと、「ママ、“ラフデザインさくせい”はいつするの?」と厳しい上司のような指摘をされることも…。

小1男子、「とりのかんさつ」中。野鳥カメラマンになりきって傘に隠れて気配を消しているそうです(よけい目立っているような…)。この日はイソヒヨドリが来ました。
小1男子、「とりのかんさつ」中。野鳥カメラマンになりきって傘に隠れて気配を消しているそうです(よけい目立っているような…)。この日はイソヒヨドリが来ました。

小1男子、「とりのかんさつ」中。野鳥カメラマンになりきって傘に隠れて気配を消しているそうです(よけい目立っているような…)。この日はイソヒヨドリが来ました。

―休校から1カ月ほど続けてみて、子どもたちに変化はありますか?

3年生の娘を見ていると、「“洗濯たたみ”はお風呂とご飯のあいだにやろうかな〜」とか、ちゃんと考えて予定を立てているな、と感じることが増えてきました。息子はまだまだ目の前のやりたいこと優先。でも、予定を書いておく効果はありますね。ひとつひとつやることを言わなくても、「進んでる?」と聞くだけで自分でスケジュールを見て何をする時間か気づけるのがいいようです。

―スケジュール以外で工夫していることはありますか?

最初は休校が新鮮だったようだけど、1カ月も経つとさすがに飽きてきたみたい…。だから最近は毎日にちょっとした“イベント”を盛り込んで飽きないように工夫しています。
たとえば、1階と2階をつなぐ手作りのロープウェイ。私は2階、子どもたちは1階にいるので、用事ができたときに直接声をかけずにこのロープウェイにメモを入れてするするっと1階に降ろします。メモを見た子どもがお返事やお菓子を送ってくれて、お互いに楽しんでいます。

毛糸を手すりにとおして、ゴンドラ部分は牛乳パックとマスキングテープで作成。動かすときは手動です。

暗号やなぞなぞを考えてロープウェーで送ることも。しばらく沈黙したあと、1階から「わかった!!」と興奮気味の声が聞こえてきます。

―休校になって特に困っていることは何ですか?

毎日のごはんが本当にたいへん…。
この機会に「そうめん」や「冷やし中華」ぐらいは作れるようになってもらおうと思って教えているところです。
でもやっぱり毎日献立を考えるのは難しいので、ときどきいろんなカップラーメンを買ってきて「カップラーメン大会」を開催しています。 種類が多くて飽きないし、準備も片付けもかんたん。なにより子どもに大好評!

市販のカップラーメンをずらっと並べてカップラーメン大会。

ずらっと並べるとちょっと豪華な気分に。

―朝礼やスケジュールなど、いろんな工夫でうまく過ごしているんですね。

うーん、全然うまくいかない日もあって、まだまだ試行錯誤中。姉弟ゲンカの声が聞こえるたびに仕事が中断したり、お昼前におやつが散乱していたり(食べるのはおやつの時間って決めたよね??)、宿題する予定の時間にテレビを見ていたり。なんだか静かだなと思っていたら家から脱走していた、なんて日も。ドカンと雷を落としてしまうことだってあります。だから、いつも心がけているのは、「子どもと一緒の在宅ワークで100%をめざさない」こと。親も子どももはじめての状況だから、お互いにストレスのない方法をこれからも探っていきたいなと思っています。

もともと在宅勤務をしていたしみず家でも、この休校期間は普段とはまったく様子が異なるようです。自分のスケジュールを自分で考えたり、みんなが楽しめる工夫をしたりすることで、「誰かひとりが背負いすぎない、無理しすぎない」ことが、快適に過ごすカギなのかもしれません。
次回は、わんぱく盛りの男の子二人が休校中のみつもり家のお話です。

休校中の子どもたち②

“みつもり家”の場合

この記事を書いた人

増田 ななこ

ラジオを愛する元テレビディレクターのコピーライター。人生で初めて読んだ漫画は『銀牙 -流れ星 銀-』です。